-
包丁を研ぐのは砥石じゃなきゃダメ?シャープナーだけでも平気?
- シャープナーと砥石だったら、どっちの方が切れるようになるの?
- シャープナーと砥石の正しい使い方は?
こんな疑問に答えていきます。
みなさんが「包丁を研ぐ」でイメージするのは【砥石】ではないでしょうか。
ですが、【シャープナー】でも、ちゃんと包丁は研げます。
しかも、どちらで研いでも切れ味にほとんど差がありません。
専門のプロが研いだのなら話は別ですが…
この2つの違いは
シャープナー
- 研ぐのが簡単
- 刃に傷をつけて切れ味を復活させる
- 短時間で研げるが切れ味は長持ちしない
- シャープナーだけだと包丁が欠けることがある
- 両刃の包丁にだけ使える
砥石
- 研ぐのに時間がかかる
- 刃を削って新しい刃を作る
- 一度研げば切れ味が長持ちする
- 間違ったやり方で研ぐと、逆に包丁が切れなくなる
- 頻繁に研ぐと刃が減ってしまい勿体ない
- 片刃、両刃どちらの包丁でも研げる
細かい違いが多いですよね。
そして、僕はプロの料理人ですが、シャープナーと砥石の両方を使っています。
その理由は包丁の刃を傷つけずに長持ちするからです。
この記事の内容
- 包丁が切れなくなるのはどうして?
- 包丁がどうなったら研ぐの?
- シャープナーと砥石の違いをもっと詳しく
- シャープナーと砥石の両方で研ぐのがベスト
- 研ぎ方の違い
- 【初心者でも使いやすい】おすすめのシャープナーと砥石
2つの研ぎ方も解説しているので、参考にしてみてくださいね。
もくじ
包丁が切れなくなる理由
包丁が切れなくなる理由は、刃が丸くなるからです。
食材を切るときに、包丁がまな板に当たった衝撃で刃が丸くなります。
なので、まな板を使わない野菜の皮むきなどでは、ほとんど切れ味は落ちません。
包丁がどうなったら研ぐ?
家で包丁を研ぐのって大変だし、少しぐらい切れなくなっても、そのまま使い続けている人もいますよね。
でも、切れ味が悪い包丁を使っていると、食材を切るときに余計な力が入ってしまい危険です。
- 柔らかいトマトが切れない
- 玉ねぎを切ると涙がでる
こうなったら包丁を研ぎましょう。
切れ味が悪いと、熟した柔らかいトマトに刃が入らず、切れないで潰れてしまいます。
また、玉ねぎの組織を潰して壊すので、涙がでます。
どちらも食材を切るのではなく押し潰してしまい、刃が丸まっている証拠です。
シャープナーと砥石の違い
シャープナーと砥石のどちらを使っても切れ味にほとんど違いはありません。
では何が違うのでしょうか。
シャープナーと砥石の決定的な違いは
刃の付け方です。
- シャープナーは刃に傷をつけて食材が引っ掛かるようにする
- 砥石は刃を削って、新しく鋭い刃をつける
同じ「研ぐ」でも、刃の付け方が全く違うんです。
シャープナーの特徴
まずシャープナーの特徴から解説していきます。
シャープナー
- 研ぐのが簡単
- 刃に傷をつけて切れ味を復活させる
- 短時間で研げるが切れ味は長持ちしない
- シャープナーだけだと包丁が欠けることがある
- 両刃の包丁にだけ使える
シャープナーは研ぐのがとても簡単で、しかも短時間で切れ味を復活させることができます。
とても便利なシャープナーですが、刃に傷をつけて一時的に切れ味を復活させているため、切れ味が長持ちしません。
また、シャープナーだけを使い続けると刃が薄くなり、欠けやすくなります。
そして牛刀や三徳包丁、ペティナイフなどの両刃のみ研ぐことができます。
出刃包丁など片刃の包丁には使えません。
砥石の特徴
次に砥石の特徴です。
砥石
- 研ぐのに時間がかかる
- 刃を削って新しい刃を作る
- 一度研げば切れ味が長持ちする
- 頻繁に研ぐと刃が減ってしまい勿体ない
- 間違ったやり方で研ぐと、逆に包丁が切れなくなる
- 片刃、両刃どちらの包丁でも研げる
砥石で研ぐと、包丁に新しい刃をつけなおすので、新品のよう切れ味に戻ります。
また、鋭い刃ができることで、その切れ味が長持ちするんです。
しかし、デメリットもあります。
研ぐのに時間がかかり、間違った研ぎ方をすると逆に切れ味が悪くなることです。
また、砥石は刃を削っているので、頻繁に研ぐと、どんどん包丁が短くなってしまいます。
シャープナーと砥石の両方で研ぐのがベスト
包丁はシャープナーと砥石の両方で研ぎましょう。
最近の包丁は切れ味を向上させるために、刃が薄く仕上げているものが多いです。
だから、どちらか片方だけを使い続けると、すぐに刃が欠けたり削り過ぎて短くなったりしてしまいます。
包丁は決して安い買い物ではありません。
長く使うためには、どちらか片方ではなく両方で研ぐことをおすすめします。
砥石で研ぐのは1ヵ月に1回
砥石で研ぐのは1カ月に1回研げば大丈夫です。
これくらいの頻度で使うと、刃の減りも最小限に抑えられ、切れ味も保てます。
それに家庭で毎日大量の食材を切ったりすることは、ほとんどないと思います。
なので、砥石で研ぐのは1カ月に1回でOK。
あまり料理をしない人は、3カ月に1回ぐらいでいいです。
そして、この間に切れ味が悪くなったら、シャープナーで研ぎましょう。
このサイクルで研ぐのがおすすめです。
僕の場合は、大量の食材を毎日切るので、1週間に1回、砥石で研いでます。
研ぎ方の違い
ここからはシャープナーと砥石、2つの研ぎ方の違いを解説していきます。
シャープナーでの研ぎ方
- シャープナーで包丁を奥から手前に引く。
- これを10回ぐらい繰り返す。
- 最後に濡れたタオルで拭く。
たったこれだけです。
最後に拭きとるのは、研いだときにでる、細かい刃の粒を取るため。
これをしないと、細い刃の粒と研いだ後の刃がぶつかって欠けてしまうことがあります。
しかし、砥石と違って事前に水につけたり、めんどうな後片付けをする必要はありません。
砥石での研ぎ方
- 砥石を10分ぐらい水につけておく
- 専用の台か、濡れ布巾の上に砥石を置く
- 砥石に包丁を15度ぐらいの角度で当てる(15度は10円玉2枚分ぐらい)
- 一度に包丁全体を研ぐことはできないので、先、真ん中、後ろの順番で研いでいく(押すときに軽く力を入れるイメージで)
- たまに砥石に水をかけて研いでいきます。(研いだときにでる、砥石のカスにも研磨効果があるので、完全には洗い流さず研ぎます)
- 片側が砥げたら裏側もも同じように研ぎます。
- 研ぎ終わったら新聞紙で細かい粒を拭き取ります。
- 最後に砥石を乾かしておしまいです。
説明すると長いですが、やり方さえ覚えてしまえば単純な作業です。
ただし砥石を初めて使う人には、包丁の角度を変えず研ぐのが難しいかもしれません。
そんなときは『包丁研ぎホルダー』を使ってみてください。
砥石を使うとき、包丁の角度を固定できます。
取り付けも簡単で、包丁の背にくっつけるだけです。
ネーミングセンスは微妙ですが、砥石を使うのが不安な人にはおすすめ。
おすすめシャープナー3選
研ぎやすさ、研いだあとの切れ味、収納の3つに優れたシャープナーを紹介します。
京セラ ダイヤモンド ロール シャープナー
硬いダイヤモンドの素材を使用しており、軽く数回研ぐだけで切れ味が復活します。
また、本体が平らな構造で、手でしっかりと押さえられ研いでいるときも抜群の安定感です。
研ぐところが1か所なので、余計な手間がなくサッと使えます。
下村工業 ヴェルダン ダブル シャープナー
水を入れて使う【水研ぎ式】のシャープナーです。
水研ぎ式の特徴は、砥石で研いだときと近い仕上がりになり、切れ味が長持ちすること。
荒研ぎ、仕上げ研ぎがあるので、これ1つで包丁の刃をしっかり整えることができます。
貝印 シャープナー ダイヤモンド&セラミック
- 荒刃付け
- 角刃落とし
- 仕上げ刃付け
の3種類が備わっているのが特徴です。
順番に研ぐことで、包丁の刃を痛めず、切れ味が長持ちする刃をつけることができます。
また、スライド式になっており、使わないときは引き出しなどにコンパクトに収納できます。
おすすめ砥石
砥石には
- 荒砥石
- 中砥石
- 仕上げ砥石
の3種類があります。
本当は細かい番号があるんだけど、専門的な話になるので今回は省略しますね。
それぞれ粗さが違い、包丁の刃の付き具合によって砥石を変えていきます。
ですが、それはあくまでプロの話です。
家庭で使うなら中砥石のみでも十分ですよ。
シャプトン 刃の黒幕
砥石を使うなら、間違いなく【シャプトン】がおすすめです。
特にこの中砥石#1000オレンジは、とても万能で「荒砥石が必要ない」と言われるくらいです。
全く切れなくなってしまった包丁にも、鋭い刃をつけることができます。
少し値段は高いですが
- 研ぐ前に長時間、水に浸けておく必要がない
- 砥石が変形しにくい
- たった1つで長く使える
と、三拍子そろっているのでおすすめです。
僕もレストランの厨房で使っています。
また、収納している容器を「砥石の研ぎ台」として使えるのも便利です。
まとめ シャープナーと砥石の両方を使うと包丁が長持ちする
包丁を研ぐときはシャープナーと砥石の両方を使いましょう。
そうすることで、包丁を通常より長持ちさせることができます。
そしてシャープナー、砥石のどちらで研いでも包丁の切れ味に差はありません。
2つの決定的な違いは刃の付け方です。
- シャープナーは刃に傷をつけて食材が引っ掛かるようにする
- 砥石は刃を削って、新しく鋭い刃をつける
そして2つのデメリットは
- シャープナーだけを使い続けると、包丁の刃が薄くなり欠けやすくなる
- 砥石だけを使い続けると、どんどん包丁が短くなり長持ちしない
ですが、両方を使うことでお互いのデメリットを消すことができます。
結果的に包丁が長持ちするんです。
たしかに砥石を使うのは面倒臭いですが、せめて3か月に1回は包丁を研いで刃をつけるようにしましょうね。