独特な模様と鋭い切れ味が人気のダマスカス包丁。
とくにダマスカス牛刀(シェフナイフ)は、どんな食材も切りやすく、刃の波紋模様が際立っているため、プロの料理人にも愛用者が多いです。
硬い鋼を何層にも折り重ねているので値段は高めですが、デザイン性に優れたものが多くオシャレな包丁の代名詞。
その一方で、職人や加工する金属によって模様や切れ味が違うので、適当に選んでしまうと失敗して後悔することに。
この記事では、普段からダマスカス牛刀を愛用している現役フレンチシェフの筆者が、選び方とオススメの5本を紹介しています。
ダマスカス牛刀 | 鋼材 | 刃の長さ | 柄 | 層の数 | 詳細 |
恵比寿刃 hana | VG10鋼 | 20cm | ホワイトオーク | 67層 | 詳細を見る |
貝印 Shun Classic | VG-MAX鋼 | 20cm | 木(積層強化木) | 33層 | 詳細を見る |
藤次郎pro | ニッケルダマスカス鋼 | 21cm | ステンレス | 63層 | 詳細を見る |
Utaki ダマスカス牛刀 | VG10鋼 | 19.5cm | 木(積層強化木) | 67層 | 詳細を見る |
堺孝行 閃黒 | VG10鋼 | 21cm | 木材 | 33層 | 詳細を見る |
もくじ
ダマスカス牛刀とは
ダマスカス牛刀とは、異なる鋼を何層にも折り重ね、独特な模様が浮かび上がった牛刀のこと。
鋼を多層にすることで刃の鋭さと耐久性を上げているので、一般的な包丁に比べて切れ味が鋭く頑丈なのも特徴です。
芯材に高品質な『VG10鋼』や『SG2鋼』を使用しているものは、錆びにくく切れ味も持続するので、初心者からプロの料理人まで幅広く使用されています。
また鋼の組み合わせや温度、冷却方法などによって刃に浮かび上がる模様が微妙に変わるため、同じ模様になることはありません。
ダマスカス牛刀のデメリット
ダマスカス牛刀は、刃の鋭さと耐久性に優れている包丁ですが、もちろんデメリットもあります。
- 値段が高い
- 模様が薄くなる
値段が高い
ダマスカス牛刀は、熟練した職人が手作業で刃をつけているので、一般的な包丁に比べて値段が高めです。
また、鋭い切れ味に仕上げるために良質な鋼材を使用しているのも、値段が高くなってしまう原因のひとつです。
そのぶん切れ味と耐久性に優れているので、しっかりとメンテナンスをしていれば、十数年使えます。
たしかに一般的な包丁に比べると値段は高めですが、1本の包丁を十数年使えると考えれば決してコスパは悪くありません。
模様が薄くなる
ダマスカス牛刀の独特な模様は、刃を何度も研いでいると徐々に模様が薄くなります。
もちろん模様が薄くなったからといって、切れ味や頑丈さは変わりませんが、見た目を重視しているならマイナスポイントですよね。
ダマスカス牛刀の模様を長持ちさせるコツは、包丁の刃を砥石に対して適切な角度で研ぐことです。
刃を傾けすぎると刀身を傷つけてしまい、模様が薄くなりやすいので注意しましょう。
包丁を研ぐのが苦手なら『包丁ホルダー』を使うのもオススメだよ。
関連記事【プロの料理人が解説】シャープナーと砥石の違い!正しい使い方は?
ダマスカスの牛刀の選び方
「ダマスカス牛刀が欲しい!」と思っても、いろいろな種類があって悩みますよね。
失敗しないために抑えておきたい選び方のポイントは以下の5つです。
鋼材の種類
一般的にダマスカス牛刀には『VG10鋼』『SG2鋼』『440Cステンレス鋼』『1095高炭素鋼』などの比較的高価な鋼材が使用されています。
どの鋼材も硬くてサビにくいのが特徴ですが、選ぶなら『VG10鋼』か『SG2鋼』がおすすめです。
どちらも鋼材の中ではトップクラスの性能なので、切れ味と耐久性が抜群です。
『VG10鋼』『SG2鋼』はダマスカス牛刀に最適な鋼材ですが、そのぶん値段も高くなってしまうので、あくまで目安として覚えておきましょう。
刃の長さ
ダマスカス牛刀を選ぶときは、刃の長さも重要です。
短すぎれば大きい食材が切りにくいですし、逆に長すぎると重いので疲れてしまいます。
サイズ選びに迷ったら、扱いやすい20~21㎝がおすすめ。
- 18cm
→小回りが利いて小さめの食材をカットするのに最適 - 20~21cm
→一般家庭でよく使われる長さ。ほとんどの食材がスムーズに切れます - 22~24cm
→ローストビーフや丸ごとの魚など大きい食材を切るのに便利
自宅のまな板が20cmより短いなら、包丁と一緒に少し大きめのサイズを用意しておくと、普段の料理がよりスムーズに作れますよ。
18cm以下の包丁をさがしてるなら、牛刀じゃなくて『ペティナイフ』にしよう。
何層で加工しているか
ダマスカス牛刀は、鋼を折り返す回数が多いほど層が増えて、模様が細かくなります。
当然ながら層が増えれば手間もかかるので、値段は高くなりますが、模様がメチャクチャかっこいいです。
ただし、包丁の性能はあくまで使用している鋼材次第なので、層が多いからといって切れ味や耐久性はほとんど変わりません。
とはいえ、ダマスカス牛刀を選ぶときにデザイン性を無視するのはナンセンスなので、選ぶときは何層で加工しているかもチェックしておきましょう。
『一体型』or『分離型』
ダマスカス牛刀には、刃と柄が繋がっている『一体型』と、別になっている『分離型』があります。
『一体型』は、刃と柄につなぎ目がないので、シンプルなデザインが多いですが、食材やゴミが貯まりにくいので衛生的です。
一方で『分離型』は、柄に木材や樹脂が使われているので一体型に比べると劣化しやすいすが、握りやすく長時間使っていても疲れないのが特徴。
最近は分離型でも柄の部分を加工し、水を吸収しにくくしていものもあるので、どの素材を使っているのかチェックしておきましょう。
知名度の高いメーカーやブランドで選ぶ
ダマスカス牛刀を選ぶときは、できるだけ知名度の高いメーカーやブランドを選ぶのがおすすめです。
知名度の低いメーカーだと、安価な鋼材を使用していたり、刃付けが雑だったりすることも。
有名メーカーやブランドなら、熟練した職人が丁寧に刃付けをしているので品質が高いですし、包丁の研ぎ直しサービスなどのアフターケアも充実しています。
日本のメーカーだと『貝印』や『藤次郎』『ミソノ』『堺刃物』が有名だよね。
ダマスカス牛刀のおすすめ5選
実際に現役フレンチシェフの筆者が使ってみて、『デザイン』『切れ味の鋭さ』『耐久性』の3つが優れていたダマスカス牛刀を5つ紹介します。
ダマスカス牛刀 | 鋼材 | 刃の長さ | 柄 | 層の数 | 詳細 |
恵比寿刃 hana | VG10鋼 | 20cm | ホワイトオーク | 67層 | 詳細を見る |
貝印 Shun Classic | VG-MAX鋼 | 20cm | 木(積層強化木) | 33層 | 詳細を見る |
藤次郎pro | ニッケルダマスカス鋼 | 21cm | ステンレス | 63層 | 詳細を見る |
Utaki ダマスカス牛刀 | VG10鋼 | 19.5cm | 木(積層強化木) | 67層 | 詳細を見る |
堺孝行 閃黒 | VG10鋼 | 21cm | 木材 | 33層 | 詳細を見る |
恵比寿刃 hana ダマスカス シェフナイフ 200mm
鋼材 | VG10鋼 |
刃の長さ | 20cm |
柄 | ホワイトオーク |
層の数 | 67層 |
高品質のVG10鋼を67層にも折り込み、芸術品のような刃が特徴のダマスカス牛刀です。
職人が1本ずつ丁寧に刃付けをしているので、軽く押すだけで簡単に食材が切れますし、切れ味もなかなか落ちないのがポイント。
柄の部分も太過ぎず細過ぎない絶妙なグリップ感で、長時間使っていても全然疲れません。
柄の部分には天然素材のホワイトオークを使ってるから、水を吸収しにくく黒ずんだりしない。
あまりメジャーなメーカーではありませんが、手頃な値段で累計10万本の販売実績がありますし、1年間のメンテナンス保証もついています。
ただし、根本の口金が斜めになっているので、収納する際はバランスを崩して落とさないように注意しましょう。
貝印 旬 Shun Classic シェフズナイフ 200mm
鋼材 | VG-MAX鋼 |
刃の長さ | 20cm |
柄 | 木(積層強化木) |
層の数 | 33層 |
包丁ブランドとして圧倒的な人気を誇る貝印のダマスカス牛刀。
「迷ったら貝印の包丁を選べば間違いない!」といわれるほど、どの包丁もクオリティが高いのが特徴です。
そのなかでも高炭素ステンレス鋼を33層に重ね合わせた『旬』は、切れ味の鋭さと刃の頑丈さがプロも満足するほどの一級品。
木目のような美しい模様が特徴で、公式サイトから注文すれば名入れをすることも可能です。
もし包丁が切れなくなっても、研ぎ直しサービスがあるので、初心者にも安心ですよ。
名入れをすると愛着が湧くよね。
藤次郎プロ ニッケルダマスカス鋼 牛刀 210mm
鋼材 | ニッケルダマスカス鋼 |
刃の長さ | 21cm |
柄 | ステンレス |
層の数 | 63層 |
2種類のステンレス鋼を組み合わせたキメ細かい刀身と、トルネード模様の持ち手で一体感を演出した、藤次郎のダマスカス牛刀です。
圧倒的な刃の鋭さを誇る藤次郎シリーズの中でも、切れ味を追求した最上位モデル。
怖いくらい切れるから怪我しないようにね。
ステンレス製の柄はトルネード模様になっており、水や油のついた手で握っても滑りにくく、熱湯消毒もできるので衛生的。
家庭用の包丁としては値段が高めですが、切れ味重視のダマスカス牛刀をさがしているなら、間違いなく1番おすすめです。
Utaki ダマスカス牛刀 195mm
鋼材 | VG10鋼 |
刃の長さ | 19.5cm |
柄 | 木(積層強化木) |
層の数 | 67層 |
刃の美しさや切れ味だけでなく、持ち手のデザインにもこだわったUtakiのダマスカス牛刀です。
柄の部分に木目と青色を組み合わせたデザインは、思わず二度見してしまうほど。
女性が長時間使うには少し重ためですが、布ケースや化粧箱もついているので、キッチン上に高級感を演出してくれますよ。
堺孝行 閃黒 ダマスカス 牛刀 包丁 210mm
鋼材 | VG10鋼 |
刃の長さ | 21cm |
柄 | 木材 |
層の数 | 33層 |
堺孝行ブランドの包丁を、黒を基調としてスタイリッシュに仕上げたダマスカス牛刀。
最高クラスのVG10鋼を使用し、繊細な模様と格別の切れ味が特徴です。
柄の部分に高級な漆(うるし)を1ヶ月以上かけて重ね塗りしているので、置いておくだけでも存在感があり、ダマスカス模様の刃がより一層輝きを増します。
とくに白をベースにしたキッチンほど映えるので、料理を作るモチベーションも上がりますよ。
漆(うるし)を使ったダマスカス牛刀なんて、カッコ良すぎ!
ダマスカス牛刀(シェフナイフ)の選び方とおすすめ5選|まとめ
ダマスカス牛刀は、独特の模様と鋭い切れ味が特徴ですが、硬い鋼材を何層にも折り重ねているので手間がかかり、他の包丁に比べて値段は高めです。
しかし、同じ模様は存在せず、値段が高いだけあって錆びにくく切れ味も落ちにくいので、料理初心者からプロの料理人まで幅広く使われています。
お気に入りのダマスカス牛刀を持っていれば料理のモチベーションが上がりますし、きちんと手入れをすればて十数年使えるので決してコスパも悪くありません。
世界に1本だけの包丁で、ぜひ美味しい料理を作ってみてはどうでしょうか。
ダマスカス牛刀 | 鋼材 | 刃の長さ | 柄 | 層の数 | 詳細 |
恵比寿刃 hana | VG10鋼 | 20cm | ホワイトオーク | 67層 | 詳細を見る |
貝印 Shun Classic | VG-MAX鋼 | 20cm | 木(積層強化木) | 33層 | 詳細を見る |
藤次郎pro | ニッケルダマスカス鋼 | 21cm | ステンレス | 63層 | 詳細を見る |
Utaki ダマスカス牛刀 | VG10鋼 | 19.5cm | 木(積層強化木) | 67層 | 詳細を見る |
堺孝行 閃黒 | VG10鋼 | 21cm | 木材 | 33層 | 詳細を見る |