包丁って切れればいいんでしょ?
切れる包丁は、手まで切りそうでなんか怖い。
なぜプロの料理人は切れ味の良い包丁を使っていると思いますか?
たしかに包丁が切れなければ仕事の効率が悪いというのもありますが、一番の理由は料理が美味しくなるからです。
だから、料理の味は包丁で変わります!
これは10年以上コックとして料理を作ってきたので断言できます。
こんな風に思っている人におすすめの記事
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- 玉ねぎを切ったときに涙が出るのは当たり前
- どの包丁で切ったって味なんか変わらない
- 値段の高い包丁はプロの料理人が使う物
- 切れ味の良い包丁は手を切りそうで怖い
これは全て間違いです。
しかも、切れ味の良い包丁をつかえば味だけでなく、食材を切るのがスムーズになり料理のスピードも格段に上がります。
また、「切れ味の良い包丁は手まで切っちゃいそうで怖い」なんて勘違いしている人がいますが、逆です。
実は切れ味の悪い包丁の方が危ないし怖いんですよ。
その理由は、切れ味が悪い包丁だと切るためにどうしても力が必要になりますよね。
そうすると、もし包丁が滑ってしまったとき、思いっきり手を切ってしまう危険があるんです。
でも、切れ味が良い包丁の場合は、力が必要ないので怪我をするリスクが減ります。
つまり、安全で料理のスピードも上がって、味まで美味しくなるんです。
もう切れない包丁を使う理由はないですよね。
もくじ
切れ味の確認
まずはあなたの包丁が本当に切れるのかどうか確認していきましょう。
爪に当てる
親指の爪に直角に包丁の刃を当てます。
そこから軽く引いてみて、 刃が引っ掛かるかやってみてください。
刃がついていれば爪に引っ掛かるし、 滑る場合は刃が付いていません。
割りばしに当てる
「爪に当てるのは怖い」
そういう人は、割りばしを使ってみましょう。
爪のときと同じように、包丁の刃を直角に当てて軽く引きます。
刃が割りばしに引っ掛かる場合は切れ味が落ちているサイン。
トマトを切る
ますは親指と人差し指で包丁を持ちます。
そしてトマトの上に包丁の刃をのせ、軽く引いてください。
刃がついていれば、力を入れなくてもスッと切れます。
料理の味が変わる
『玉ねぎを切っていると涙が出る』、「目がしみるから玉ねぎを切るのは苦手」なんて思っていませんか?
でも、目がしみる原因は玉ねぎの繊維を潰してしまっているからなんです。
しかも繊維をつぶしてしまうと、野菜がもっている水分と旨味を逃がしてしまいます。
これでは野菜の本当の美味しさを感じることができません。
全ての食材について説明していたらキリがないので、いくつか例を出してみますね。
ピーマンの場合
切れ味の悪い包丁でピーマンの繊維を潰してしまうと、苦みと雑味が増えてしまいます。
この切り方だと、口の中に苦みが残ってしまうんです。
これが子どもがピーマンを嫌いになる原因のひとつでもあります。
『切れ味の良い包丁に変えただけで、ピーマンが食べられるようなった』なんて子もいるくらいです。
トマトの場合
トマトは柔らかく水分が多いので、切れ味が悪い包丁だと上手に切れません。
最終的に切れたけど、見た目も悪くグチャグチャなんてことになっていませんか。
そうするとトマト断面が傷つき、酸味を強く感じてしまいます。
反対に切れ味良い包丁だと余計な傷をつけることなく切れるので、酸味を抑えて甘みを強く感じることができます。
焼いた鶏肉や牛肉の場合
切れ味の悪い包丁だと、お肉を切るときにギコギコと何度も動かして切りますよね。
これでは旨味の詰まった肉汁が流れ出し、パサパサになってしまうんです。
切れ味が良ければ、肉汁が流れるのを最小限に抑えることができ、食べた時に口の中で肉汁を楽しむことができます。
包丁の選び方
いざ包丁を買おうとしても、素材や大きさも色々あるので迷ってしまいますよね。
そんな人も安心できるように、順番に説明していきますね。
きっとあなたにピッタリの包丁が見つかるはず。
包丁の素材
素材は大きく分けて3つあります。
切れ味 | サビにくい | 軽い | |
ステンレス | 〇 | 〇 | 〇 |
鋼 | ◎ | ▲ | ▲ |
セラミック | ▲ | ◎ | ◎ |
ステンレス
鋼と比べると切れ味は劣るものの、非常に硬くサビにくいので手入れがとても楽なのが特徴。
持つところも全てステンレスのものを選べば、衛生面も安心できます。
また、種類も多く鋼の包丁より金属臭がつきにくいのもポイント。
鋼
サビやすいというデメリットはあるものの、切れ味は文句なし。
手入れが少し面倒臭いですが、しっかり研いでいれば切れ味は全く落ちません。
セラミック
とても軽いのがメリットでありデメリットでもあります。
どういうことかというと、長時間使っていても疲れないですが、軽すぎるため食材を切るときに余計な力が入ってしまい、やわらかい食材の場合は潰れてしてしまうことも。
また、硬く弾力性がないので、ぶつけたり落としたりするとすぐに欠けてしまいます。
一方で金属を使っていないので、金属アレルギーの人には安心です。
包丁の長さ
包丁を選ぶときは、まな板の長さを測ってみてください。
また板より長い包丁を買ってしまうと、作業しづらくなってしまうので注意。
一般家庭のまな板のサイズを考えると、ペティナイフ【12~15cm】、三徳包丁【16~18cm】、牛刀【19~21cm】あたりがおすすめです。
おすすめの包丁とは
僕がおすすめする包丁はステンレス素材のペティナイフ、三徳包丁、牛刀の3種類です。
まずはステンレスを選んだ理由から。
最近のステンレス包丁は、鋼と同じぐらいの切れ味を持つものもありますし、なによりも手入れが簡単です。
たま~に研ぐだけで、いつでも最高の切れ味を保てるのが最大のメリット。
次に3種類の包丁を選んだ理由ですが、ペティナイフは必須として、三徳包丁と牛刀はキッチン事情に合わせてどちらか1本あればいいと思います。
包丁の長さで説明した通り、短いペティナイフは果物や野菜の皮を剥いたり面取りしたりするのに凄く便利です。
また、先端が尖っているのでちょっとした飾り切りなんかも簡単にできちゃいます。
正直言って、あまり料理をしない一人暮らしの人には、ペティナイフが1本あれば十分だと思います。
【おすすめペティナイフ5選】一人暮らしやキャンプに最適な万能包丁
さっき「三徳包丁と牛刀はどちらか1本あればいい」と言いましたが、三徳包丁と牛刀の2つは、家庭料理のみなら三徳包丁。
パーティー料理で大きなケーキや、ローストビーフなどの大きなものを切ることがある人は牛刀が良いと思います。
牛刀については【料理人が解説】牛刀の基本的な使い方と失敗しない4つの選び方!で詳しく説明しています。
ちなみに僕も10年以上ステンレスの牛刀とペティナイフを愛用しています。
これから紹介する包丁は、どれも僕が実際に使って気に入ったものだけです。
プロが使っても「使いやすい!」と思った物なので、ぜひ参考にしてみてください。
おすすめのペティナイフ
持ちところが少し膨らんでいるので、指に引っ掛かりやすく抜群の安定感です。
食洗器にも対応しているので丸洗いできるし、食洗器がなくても熱湯で殺菌できるので安心。
【おすすめペティナイフ5選】一人暮らしやキャンプに最適な万能包丁
おすすめの三徳包丁
こちらもペティナイフと同様のステンレス一体型。
16.5cmという絶妙な長さで、ストレスなく使えます。
このメーカーの包丁は食材を切ったときの抵抗を減らす独自の研削加工しているそうで、ずっと切れ味が良いままなんです。
おすすめの牛刀
持ち手がトルネード模様になっていて、掴みやすく滑りにくいのが特徴です。
ペティナイフや三徳包丁で紹介したメーカーの牛刀も持っているのですが、こっちの方が個人的にしっくりきました。
洋食包丁ならではの押し切り、引き切りの両方に優れているし、食材がくっつきにくいので、とても使いやすいです。
食パンから肉の塊までスパスパ切れますよ。
【料理人が解説】牛刀の基本的な使い方と失敗しない4つの選び方!
包丁の切れ味を持続させるには
もちろん砥石で研ぐのがベストです。
ですが、研ぐ前に砥石を水につけておかなくちゃいけなかったり、研いだ後まわりが汚れたりと正直言って面倒臭いですよね。
そんな人にはシャープナー(簡易砥石)が便利ですよ。
シャープナーを使えば短時間で切れ味が蘇るし、定期的に使っていればその分長持ちします。
このシャープナーの凄いところは、包丁を研ぐのに最適な角度になっているので、ただ動かせばいいだけなんです。
しかも、3段階になっているので順番に研いでいけば、あっという間に切れ味が元通り。
砥石で包丁を研ぐときの『荒砥』、『中砥』、『仕上げ砥』を再現しているんですね。
小さいしプラスチックで軽いので、ウチではキッチンの引き出しに収納してます。
【プロの料理人が解説】シャープナーと砥石の違い!正しい使い方は?
まとめ 料理を美味しくするには
切れ味の良い包丁を使いましょう。
これだけです。
たったこれだけなのに味が全然変わりますよ。
よく『弘法筆を選ばず』なんていいますけど、包丁に限ってはしっかり選んだほうが良さそうですね。