
子どもが料理に興味をもち始めたから、子ども用の包丁が欲しい。
でも、種類が多くてどれを選んだらいいのかわからない。
子どもが4歳ぐらいになると、ママが料理を作っている姿に興味をもち始める子もいますよね。
今までのおままごととの違いは、自分で切ったものが食卓に並び、実際にみんなで食べることができること。
これは【食育】の一環で、『料理を作ってくれた人に感謝しよう』ということにもつながるんです。
せっかく興味をもち始めたのに、「包丁は危ないから」とやらせないのはもったいと思います。
だって食材、料理、人に対して感謝する気持ちをもつことができる感性豊かな子どもに育てるチャンスだからです。
これをきっかけに料理好きになる子もいますからね。
【食育】に関しては、食育が子どもの心と体を育てる理由!を読んでみてくださいね。
この記事でわかること
- 失敗しない子ども用包丁の選び方
- 包丁が危険だと理解させる方法
- 正しい包丁の使い方
- 最初に使うべきおすすめの包丁
- 左利き用のおすすめ包丁
- 包丁と一緒に揃えておきたいもの
僕は15年以上も調理の仕事をしているので、包丁の危険性も安全性も熟知しています。

Contents
失敗しない子ども用包丁の選び方

子ども用の包丁はメーカーごとに素材や種類が多く、どれから買えばいいのか悩みますよね。
『刃がない包丁』
『ギザギザの刃がある包丁』
『大人と同じ刃の包丁』などがありますから。
最初だし危ないから『刃がない包丁』にしようかなと考える人もいますが、
必ず『大人と同じ刃の包丁』を選びましょう。
その理由は包丁は危ないものだけど、使い方を間違わなければ安全なものと理解させるためです。
なぜ『刃がない包丁』や『ギザギザの刃がある包丁』を使わない方がいいのか。それは2つのデメリットがあるからです。
一つ目は、やらかい食材しか切れないこと。
少しでも切れないと力加減が苦手な子どもは、何とかして切ろうと思いっきり力を込めてしまうんです。
その結果、包丁が滑りケガの原因になってしまうこともあります。
もう一つは、子どもが多少危ないことをしても「まぁ、切れないから大丈夫か」と親も注意しないで流してしまうこと。
初めての包丁は、子どもにとっておもちゃと変わらないので、振り回すこともあるでしょう。
ここでしっかり注意しないと、今までのままごとと全く変わりませんし、逆に包丁で遊ぶことが増えてしまいます。
そうなってしまってから『大人と同じ刃の包丁』に変えると、注意してもなぜ怒られているのか理解できないんですよ。
なので、最初から「包丁で遊んではいけない」、「包丁は危ない」と教えるためにも『大人と同じ刃がある包丁』を選びましょう。
『大人と同じ刃がある包丁』は怖いと思うかもしれませんが、親が正しい使い方を教えてあげれば全く問題ありません。
次に素材ですがステンレスがおすすめです。
ステンレスはサビにくいのが特徴で、簡易砥石で簡単に研ぐことができます。
長く使うことができるのもポイントです。
セラミック素材の場合は研ぐことができないので、使い慣れても切れなくなったら捨てなくてはいけません。
それに硬く弾力性がないので、万が一落としたときに欠けたり割れたりしてしまいます。
なので素材はステンレスにしましょう。
4つのチェックポイント
子ども用包丁を買うときに確認しておくべき4つのチェックポイントを紹介します。
1つでもないものを選んでしまうと、子どもが怪我をする原因になるのでしっかりチェックしましょう。
4つのチェックポイント
- 刃先は丸いか?
- 刃元は丸いか?
- 包丁の柄が滑り止めの素材や指に引っ掛かるものか?
- 利き手の包丁か?
刃先は丸いか?
大人の場合は料理で包丁の刃先も使うことがありますが、子どもには必要ありません。
包丁の先端が尖っていると、まな板に刺さっってしまったり、包丁を持ったまま振り返ったときに危険なので必ず丸いものを選びましょう。
刃元は丸いか?
子どもは包丁で作業しているうちに、手がどんどん刃元に向かってしまいます。
そのときに刃元が尖っていると、手を切ってしまうんです。
これも刃先と同じように丸いものを選びましょう。
包丁の柄が滑り止めの素材や指に引っ掛かるものか?
力を入れた時に包丁が手から離れてしまわないよう、包丁の柄の部分が滑らない素材のものを選びましょう。
樹脂製のものだと滑りにくく、持ったときに手に馴染むのでおすすめです。
また、指が刃元に近づかないように、人差し指が引っ掛かるものにしましょう。
利き手の包丁か?
子どもの利き手を確認して、必ず利き手の包丁を使いましょう。
基本的に利き手の表示がないものは右利き用です。
ココに注意
利き手が関係ないと言われる両刃の包丁でも、右利きが使いやすいように刃が傾けられていることが多い
なので、利き手じゃない包丁を使うと力を入れた時にバランスが崩れて危険です。
必ず利き手専用の包丁を選びましょう。
包丁が危険だと理解させる方法

「包丁は危ない!!」と言ったところで、指を切ったことのない子にはピンきません。
そこでニンジンなどを手でもたせ硬いことを確認させてから、それを切って見せると効果的です。
これで「包丁は食材を切るもの。硬いものも簡単に切れるちょっと怖いもの」と認識させることができます。
次に始める前に約束を決めること。
なんとなく始めて、包丁を渡してしまうのはとても危険なことです。
約束事
- 包丁を持ったらちゃんと言うことを聞くこと
- 刃を触らないこと
- 使わないときは置くこと
- 置くときは包丁の先や刃が自分の方に向かないように置くこと
- 子どもは自分で全部やりたがるので、ママが手伝っても怒らないこと
最後に約束を破ったらその時点で終わりにすることです。
あまり作業中に「危ない」「危険」と言い過ぎても、包丁に対して悪いイメージをもってしまうので、必ず作業を始める前に確認しましょう。
そして親も食材を切る以外に使ったらしっかり注意してください。
間違っても笑いながら注意しないようにしましょう。
これを徹底しないと予期せぬ大怪我につながってしまいます。
正しい包丁の使い方

まずは包丁の刃がついている方を下に向け、柄の中心から軽く握りこむように持たせてください。
そして、反対の食材を押さえる手は猫の手(グー)にすること。
最後は包丁を前に押し出しながら一方向に切ることです。
最初のうちは親が後ろから手を添えて練習しましょう。
これで切る感覚を体で覚えることができます。
そしていよいよ一人で切る練習のスタート。
猫の手をしっかり守っていれば、指を切る心配もありませんし、子どもの未熟な握力では仮に切ってしまっても大怪我にはなりにくいです。
とは言え、子どもよりも親がしっかりと注意しながら作業していくことが大切です。
包丁が近くにあるときは絶対に目を離さないようにしましょう。
また子どもの包丁は、大人と比べて使用頻度が低いので安全に保管することが大切です。
子どもは片しているところを必ず見ているので、絶対に子どもの手の届かない場所に片しましょう。
初めて使うべきおすすめ包丁
大人の包丁と同じように刃がついていることは重要ですが、切れ味まで同じな必要ありません。
それよりも持ちやすさと安全性を重視しましょう。
この包丁の凄いところは両端から約1cmだけ刃がついていないこと。
万が一刃を触ってしまっても、刃が付いていないところならケガをする心配もありません。
しかもレベルに合わせた包丁があるので、慣れた包丁の感覚のままステップアップしていけるんです。
【りすの包丁】(初級)
刃先と刃元を丸くして、両端から約1cmには刃が付いていない包丁。
【うさぎの包丁】(中級)
刃先と刃元を丸くした一般的な子ども包丁。
【くまの包丁】(上級)
刃先と刃元の丸みが小さいが、大人用の包丁を使うにはちょっと早い子ども向け。
そして左利き用もあります。
もちろんこれもレベルに合わせた3種類がありますよ。
もちろんステンレスで刃先と刃元も丸く、柄も樹脂製で指に引っ掛かるタイプです。
最初のころは食材を押さえる手を【猫の手】にするのを忘れてしまいがちです。
でもこの包丁なら可愛い動物たちが、それを思い出させてくれるんです。
イエローの猫、ピンクのウサギ、ブルーのシロクマがあり、どれも子どもの喜ぶデザインなのもおすすめポイント。
これももちろんステンレスで刃先と刃元も丸く、柄も樹脂製で指に引っ掛かるタイプです。
包丁と一緒に揃えておきたいもの
- エプロン
- 滑り止め付きのまな板
- 踏み台
- ピーラー
- おたま
- マッシャー
- 泡だて器
- ターナー(フライ返し)
- 型抜き
包丁を使って料理を始めたら、ほかのことにも挑戦したくなっていきます。
そのやりたい気持ちを育てるためにも、子ども用のキッチングッズを揃えてあげましょう。
子ども用のおすすめキッチングッズの紹介は別記事で。
まとめ 子ども用包丁は
ステンレス素材の刃がついている包丁を選びましょう。
チェックポイント
- 刃先は丸いか?
- 刃元は丸いか?
- 包丁の柄が滑り止めの素材や指に引っ掛かるものか?
- 利き手の包丁か?
の確認も忘れないでくださいね。
最後に、僕は子どものやりたい気持ちを育てるのが子育てで重要なことだと思っています。
たしかに包丁は使い方を間違えれば危険なものです。
でも「危ないことはやらせない」では、子どもは成長していきません。
親がしっかりと教えて見守ってさえいれば、なにも不安になることなんかありませんよ。
ぜひこの機会に子どもと一緒に料理を楽しんでみてはどうでしょうか。