食の知識

【常識!?】白胡椒(ホワイトペッパー)と黒胡椒(ブラックペッパー)の違いと使い分け方

料理を作るときに欠かせない調味料のひとつが、白胡椒(ホワイトペッパー)と黒胡椒(ブラックペッパー)です。

いつも何気なく使っている調味料ですが、「とくに使い分けていない」なんて人も意外と多いのではないでしょうか。

実はどちらも同じ植物の果実ですが、収穫時期や加工方法が異なるので、香りや辛みが全然違います

それぞれの胡椒を正しく使い分ければ、普段の料理をワンランクアップさせることも可能です。

この記事では現役フレンチシェフの筆者が、白胡椒(ホワイトペッパー)と黒胡椒(ブラックペッパー)味や香り違い、どのような料理がそれぞれの胡椒と相性が良いのかも解説しています。

白胡椒(ホワイトペッパー)と黒胡椒(ブラックペッパー)の違い

白胡椒(ホワイトペッパー)と黒胡椒(ブラックペッパー)は、どちらもコショウ科コショウ属の植物の果実を加工したものです。

同じ植物の実なのに色が全然違う。

妻
ヤユキ
ヤユキ

収穫時期や加工方法で味も変わるんだね。

白胡椒(ホワイトペッパー)と黒胡椒(ブラックペッパー)の違いは以下のとおりです。

胡椒の種類白胡椒(ホワイトペッパー)
白胡椒
黒胡椒(ブラックペッパー)
黒胡椒
収穫時期完熟後熟す前
なしあり
辛み弱い強い
香りマイルドシャープ

白胡椒(ホワイトペッパー)は完熟後、黒胡椒(ブラックペッパー)は未熟で収穫

白胡椒(ホワイトペッパー)は、実が完熟してから収穫し、水に浸しやわらかくしてから皮を除いて乾燥させたもの。

一方で、黒胡椒(ブラックペッパー)は、実が赤く熟す前に収穫し、皮ごと乾燥させたものです。

ヤユキ
ヤユキ

乾燥させると『緑』→『黒』になるよ。

辛みが強いのは黒胡椒(ブラックペッパー)

胡椒には『ピペリン』という辛み成分があり、果実の皮部分に多く含まれています

なので、皮を取り除かず乾燥させた黒胡椒(ブラックペッパー)のほうが強い辛みを感じるわけです。

白胡椒おだやかで繊細な辛み
黒胡椒刺激的でシャープな辛み

一方で皮を完全に取り除いた白胡椒(ホワイトペッパー)の辛みは、黒胡椒(ブラックペッパー)の1/4程度に抑えられています。

白胡椒(ホワイトペッパー)は香りがマイルド

辛み成分と同様に、胡椒の香り成分も果実の皮部分に多く含まれています

果実の皮部分を取り除いている白胡椒(ホワイトペッパー)は、香りがマイルドになり、少し辛みの混じった木の匂いがします。

一方で皮つきの黒胡椒(ブラックペッパー)は、スパイスのようなピリッと刺激的でシャープな香りです。

白胡椒(ホワイトペッパー)と黒胡椒(ブラックペッパー)の使い分け方

胡椒の使い分け方で一般的によくいわれているが「魚料理には白胡椒肉料理には黒胡椒」です。

もちろん間違いではありませんが、十数年も料理を作ってきた調理師の立場からいわせてもらうと、ちょっと微妙。

個人的には以下の使い分け方がおすすめ。

  • 素材の味を引きたてる → 白胡椒(ホワイトペッパー)
  • 辛みを主張させる → 黒胡椒(ブラックペッパー)

たとえば素材の味を活かしたスープ乳製品を使って作るホワイトソース白味魚の料理などには白胡椒(ホワイトペッパー)を使います。

完成形が白い料理に黒胡椒(ブラックペッパー)を使ってしまうと、黒い粒が浮いてしまい見た目が悪いですよね。

一方で黒胡椒(ブラックペッパー)は辛みが強いので、肉の臭み消し風味付けとして使用するのがおすすめ。

しかし乳製品の料理でも、カルボナーラに白胡椒(ホワイトペッパー)じゃ味にしまりがなく美味しくないですし、肉料理でも牛肉は黒胡椒(ブラックペッパー)、豚肉や鶏肉は白胡椒(ホワイトペッパー)と相性が良いです。

ヤユキ
ヤユキ

肉の厚みがあるときや、ソースの味が濃い料理には黒胡椒(ブラックペッパー)を使うことも。

最終的には味の好みによる部分も大きいので、『絶対に白・黒胡椒じゃないとダメ!』なんてことありません

ヤユキ
ヤユキ

自分で食べるときは野菜スープにアクセントで黒胡椒入れたりするし。

胡椒の使い分けで悩んだときは、素材の味を引きたてるには白胡椒(ホワイトペッパー)、辛みを主張させるには黒胡椒(ブラックペッパー)と覚えておけば、失敗しないですよ。

胡椒は『挽きたて』が一番美味しい

胡椒をペッパーミルで挽く

胡椒の味と香りを一番強く感じるのは『挽いた瞬間』です。

たしかに市販の粉末のほうが手軽ですが、その場で挽いた胡椒とは味も香りも完全に別物

粗く引けば食感と噛んだ瞬間の辛みを演出できますし、細かく挽けば香りが立ちやすく料理の風味も良くなります。

「胡椒を自分で挽いたことがない」という人は、一度試してみるのがおすすめ。

自分で胡椒を挽くだけで、同じ料理でも味と香りがワンランクアップしますよ。

グリーンペッパーやピンクペッパーとの違いは?

スーパーの調味料売り場で見かける『グリーンペッパー』と『ピンクペッパー』。

『グリーンペッパー』は胡椒の一種ですが、『ピンクペッパー』は胡椒と完全に別物です。

グリンペッパーの特徴

グリーンペッパーは、胡椒の未熟な実をフリーズドライや茹でて塩漬けにしたものです。

未熟な状態で収穫するため、白胡椒や黒胡椒に比べて香りは控えめ

さわやかな香りと辛みが特徴で、粗く挽いてソースに加えたり、あっさりとした煮込み料理、サラダに散らしてアクセントなどに使用します。

ピンクペッパーの特徴

ピンクペッパーは『ペッパーツリー』という植物の果実を乾燥させたもの。

白胡椒や黒胡椒、グリーンペッパーとは完全な別物で、辛みも一切ありません

独特な甘い香りが特徴で、味を楽しむというより料理の見た目を華やかにするために使用します。

白胡椒(ホワイトペッパー)と黒胡椒(ブラックペッパー)の違い|まとめ

白胡椒(ホワイトペッパー)と黒胡椒(ブラックペッパー)は同じ植物の果実ですが、収穫時期や加工方法が異なり、味や香りも全然違います。

胡椒の種類白胡椒(ホワイトペッパー)
白胡椒
黒胡椒(ブラックペッパー)
黒胡椒
収穫時期完熟後熟す前
なしあり
辛み弱い強い
香りマイルドシャープ

胡椒の使い分けに迷ったら、どんな料理に仕上げたいのかを想像してみるのがおすすめ。

  • 素材の味を引きたてる → 白胡椒(ホワイトペッパー)
  • 辛みを主張させる → 黒胡椒(ブラックペッパー)

また、胡椒は直前に挽くことで、味と香りを最大限に発揮します。

自分で胡椒を挽くだけで「同じ料理でも味と香りがこんなに変わるの!?」と驚くはずなので、料理をワンランクアップさせたい人はペッパーミルを検討してみるのもありかもしれませんね。

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