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鉄のフライパンって使うのが難しい、食材がくっつくイメージがある
- 鉄でもテフロンのフライパンでも、料理の味は変わらないんでしょ?
- 結局はテフロンのフライパンが一番使いやすいんでしょ?
こんな疑問に答えていきます。
鉄のフライパンは「くっついて扱いにくい」ってイメージがありますよね。
だから家庭では、テフロンのフライパンを使っている人の方が圧倒的に多いと思います。
でも、僕は鉄のフライパンを16年使っていますが、全然くっつきません。
ただし、新品の鉄のフライパンには、空焚きや油慣らしが必要です。
また、使った後の片し方もテフロンのフライパンとは少し違います。
使い方だけ聞くとちょっと面倒臭いと思うかもしれません。
でも鉄のフライパンは、使えば使うだけ油が馴染んで成長していくんです。
そんなことから、「フライパンを育てる」なんて言い方がされるぐらいです。
だいたい二ヶ月もあれば、どんな食材もくっつかない、あなただけの完璧な鉄のフライパンに成長しますよ。
この記事の内容
- 鉄のフライパンの特徴
- 鉄のフライパンとテフロンのフライパンの違い
- 鉄のフライパンがくっつく原因
- 新品のフライパンを空焚き+油慣らしする方法
- 使い方と片付け方
もくじ
鉄のフライパンの特徴
鉄フライパンの一番の特徴は、耐久性に優れているので大事に使えば一生使えるということです。
また、高温での調理ができ、食材に熱が伝わりやすいので、時間の短縮にもなります。
メリット
鉄のフライパンのメリットは
- 一生使える
- 料理が美味しくなる
- 自分だけの使いやすい鉄のフライパンに成長する
- 耐久性が良く傷がつきにくい
- 熱が伝わりやすい
- 高温の調理ができる
- 本体と取っ手が一体型のものなら、そのままオーブンに入れられる
- 自然に鉄分を摂取できる
耐久性に優れているため、たわしでゴシゴシ洗っても全く問題ありません。
また、「取っ手が一体型」のものなら、そのままオーブンに入れて加熱することだってできちゃいます。
たとえば、ハンバーグを作るのにプロの料理人なら必ず鉄のフライパンをつかいます。
その理由は、香ばしい焼き色を付けられ、旨味と肉汁を閉じ込めることができるからです。
ちなみに、鉄フライパンで料理をすると
「鉄分を摂取することができる」と、実証されています。
もちろん「すぐに貧血を治したい」などの即効性を期待できるほどではありませんが、サプリメント程度の効果はあるそうです。
意外と不足しがちな鉄分を、鉄フライパンを使うだけで摂取できるなんて助かります。
健康に気をつかう人にも、おすすめのフライパンなんです。
デメリット
もちろんデメリットもあります。
- 買ってしばらくは空焚き、油慣らしをしなければいけない
- 重たいものを選んでしまうと、片手では使いにくい
- 湿気の多い場所に保管したり、手入れをサボると錆びる
- 本体と取っ手が一体型のものだと、熱くて素手で持てない
- 他のフライパンに比べ値段が高い
- 煮る、茹でる、蒸すに向かない
鉄のフライパンは水分を多く使う調理法には不向きです。
理由はコーティングした油が浮いてきてしまうから。
鉄のフライパンは、油で膜を作ってくっつかなくしているので、それが水と分離してしまうんです。
また、買ってすぐは空焚きや油慣らしが必要だったり、普通のフライパンより重いなどの欠点もあります。
鉄のフライパンとテフロンのフライパンの違い
鉄のフライパンとテフロンのフライパンの違いは
- 耐久性
- 耐熱温度
- 加工の有無
この3つです。
鉄のフライパンはたわしでゴシゴシこすっても大丈夫なぐらい耐久性に優れ、200℃以上で加熱しても全く問題ありません。
しかし、加工がされていないので空焚きや油慣らしなどの作業が必要です。
テフロンのフライパンはフッ素加工がされており、少量の油でもくっつかなくお手入れが簡単です。
しかし、耐久性や耐熱温度が低く、一部でも加工が剥がれたら買い替えになってしまいます。
鉄のフライパンは大事に使えば一生使えますが、テフロンのフライパンはどんなに使いやすくて手に馴染んでいても寿命は2~3年です。
毎日使っていれば1年で使えなくなってしまうこともあります。
つまり、テフロンのフライパンは消耗品なんです。
一見するとテフロンのフライパンの方が安いと感じますが、長い目で見れば鉄のフライパンの方がコスパが良いですよ。
鉄のフライパンがくっつく原因
鉄のフライパンを使っていて、食材がくっついてしまう原因は5つです。
- 最初の焼きが足りない
- 使う前の加熱が足りない
- 油の量
- 汚れが付いている
- 洗い方
順番に説明していきます。
最初の焼きが足らない
新品のフライパンは、店頭で売っているときに錆びてしまわないよう塗装がされています。
これはあくまで店頭で売るための塗装で、
フライパンを油でコーティングするのに邪魔なものです。
まずは、フライパンを焼いて、この塗装をしっかり剥がさなければいけません。
使う前の加熱が足りない
鉄のフライパンがくっつかないのは、油でコーティングされているからです。
低温の状態では油の膜を作ることができないので、使う前ときはフライパンをしっかりと加熱して、油を馴染ませてから料理をしましょう。
油の量
鉄のフライパンで料理をするときは、多めの油を使いましょう。
テフロンのフライパンで料理をするときの
1.5倍ぐらいの量が目安です。
多めに油を使うことで、フライパンに油が馴染みやすくなります。
汚れが付いている
汚れが付いていると、いくら油でコーティングされた鉄のフライパンでもくっつきます。
理由は、その上に食材がくっついてしまうからです。
鉄のフライパンは頑丈なので、汚れが付いていたら遠慮せずたわしでゴシゴシ洗って落としましょう。
洗い方
ちょっと意外かもしれませんが、洗剤をつけて洗ってはいけません。
これをしてしまうと、せっかく馴染んだ油が全部落ちてしまいます。
お湯とたわしで洗うだけにしましょう。
新品のフライパンを空焚き+油慣らしする方法
新品のフライパンには空焚き+油慣らしが必要です。
これは塗装を剥がすためなので、毎回やらなくて大丈夫です。
空焚き+油慣らしのことをシーズニングと言います。
シーズニングなんて難しそうな名前ですが、やってることはシンプルです。
step
1フライパンを火にかける(空焚き)
フライパンを煙がでるくらいまで加熱していきます。
だんだんフライパン全体が青っぽく変色していきます。
フライパン全体の色が変わるように側面や裏側もしかっりと加熱しましょう。
step
2冷ます
全体が青く変色したら火を止め、そのまましばらく冷まします。
なかなか冷めないからといって水をかけてはいけません。
熱々のフライパンを急激に冷ますと変形してしまうことがあります。
step
3洗う
冷めたら洗剤をつけて、たわしで念入りに洗いましょう。
まだ油を使っていない状態なので、洗剤をつけて洗います。
そして、たわしを使う理由は、汚れが一番落ちるからです。
スポンジは柔らかい素材なので、硬い鉄のフライパンを洗うのには不向きです。
ゴシゴシ洗えるたわしを使いましょう。
step
4油を入れて加熱する(油慣らし)
洗ったらキッチンペーパーで水と汚れを拭きとり、油を入れて加熱していきます。
このときの油の量はフライパンの1/3ぐらいです。
うっすらと煙が出てくるまで加熱し火を止めます。
全体に油が馴染むようにフライパンを軽く揺らしましょう。
step
5油を捨てる
粗熱が取れたら油をオイルポットに捨てて、残った油をキッチンペーパーで拭き取ります。
これで完了です。
ちょっと面倒臭いかもしれないけど、これをやらないと使い物にならないんだよね。
鉄のニオイが気になるときは、野菜の切れ端を炒めると鉄特有のニオイが取れますよ。
鉄のフライパンの使い方と片付け方
よし!ちゃんと空焚き+油慣らしをやったからくっつかないな!
と言いたいところですが、最初のうちはくっつく可能性が大です。
理由は、まだフライパンに油が完全に馴染み切っていないから。
鉄フライパンは使い込むとほど油が馴染んで食材がくっつかなくなっていきます。
そこまで育てるためには、毎回油を馴染ませるという作業が必要なんです。
青かったフライパンが全体的に黒くなって油が馴染むまでは、油を多めに使いましょう。
手っ取り早く馴染ませるためには、揚げ物をするのがベストですよ。
あと、鉄のフライパンは「熱が伝わりやすい」ので、火加減には気をつけてましょう。
なるべく強火は使わず、弱火か中火がおすすめです。
料理が終わった後の片付け方
次に、料理が終わった後の片付け方です。
step
1素早くお皿に移す
料理が終わったら、なるべく早く食材をお皿に移してください。
塩分などがフライパンに染みついて焦げる原因になるので。
step
2洗剤を使わないで洗う
なるべく温かいうち(熱々はダメ)にお湯とたわしだけで洗いましょう。
洗剤を使うとせっかく馴染んだ油が剥がれてしまうので注意。
step
3空焚きする
洗った後の水分が付いたままだと錆びてしまいます。
必ず空焚きして水分を飛ばしてください。
step
5油を塗る
最初の一か月ぐらいは空焚きした後にフライパンに油を少量たらしキッチンペーパーで馴染ませてから片しましょう。
次に使うときに「油が馴染んだ状態」で使えます。
一か月ぐらい使って、フライパンに油が馴染んできたら、空焚きだけで大丈夫です。
焦げてしまったら
ほとんどの場合は、たわしで思いっきり擦れば落ちます。
鉄のフライパンは頑丈なのでゴシゴシ擦っても全く問題ありません。
それでも落ちないときは焦げが炭になるまでフライパンを加熱しましょう。
鉄のフライパンは耐熱性にも優れているので、ガンガン熱しても大丈夫です。
匂いが取れないときは
洗いうときはお湯とたわしだけなので、フライパンに匂いがついてしまうことがあります。
どうしても匂いが落ちないときは、諦めて洗剤を使いましょう。
馴染んだ油が落ちてしまいますが、また油慣らしをすれば問題ありません。
使い終わった油の捨て方
使い終わった油の捨て方は、油は何回まで使える?意外と知らない保存方法と簡単な捨て方を参考にしてみてください。
まとめ 鉄のフライパンだけじゃダメ
鉄のフライパン
- 炒める
- 焼く
- 揚げる
に特化したフライパン。
熱伝導が良く高温での調理が可能なので、一気に加熱して食材の旨味を閉じ込めることができる。
正しく使えば食材がくっつかないで、しかも一生使える。
フッ素加工のフライパン
- 煮る
- 茹でる
- 蒸す
に適したフライパン。
加工が剥がれたら買い替える必要がある。
寿命は2~3年。
水分を多く使う調理法に鉄のフライパンは向きません。
なので、「鉄のフライパンだけあればいいのか」なんて勘違いはしないでくださいね。
そして最後にこれだけは言わせてください。
肉を焼くなら絶対に鉄のフライパンを使ってください!
ホント味が全然違いますから。
「同じ食材でもここまで変わるのか」って驚きますよ。