「煮込み料理には欠かせない」と言っても過言ではないローリエ。
最近はテレビの料理コーナーなんかでも普通に使われていて、その知名度が一気に増しました。
でも多数の人は名前は知ってるけど「どうやって使うのか?」「どんな効果があるのか?」までは知らないですよね。
そこで今回はフレンチシェフである僕が、ローリエの効果と上手な使い方をわかりやすく簡単に解説していきます。
ローリエとは
ローリエとはクスノキ科・ゲッケイジュ属の葉のことを指します。
そしてローリエ(laurier)という言葉はフランス語だって知っていましたか?
日本語では月桂樹の葉、スペイン語ではローレル(laurel)と表記しますが全て同じものです。
ローリエを料理で使う場合、この月桂樹の葉を乾燥させたものを使用するのが一般的です。
勝利と繁栄の象徴
古代ギリシャ時代では、競技の勝利者にローリエの冠が贈られていました。
このことからローリエの香り高く輝く葉は、「勝利と繁栄の象徴」と呼ばれるようになったのです。
香りと味
甘く清涼感のある香りと苦みが特徴です。
苦みがあるのでローリエを直接食べることはほとんどありません。
ベイリーフとの違い
ちょっとややこしいのがベイリーフ(bay leaves)です。
英語でベイリーフといえばローリエのことを指すのですが、他にもベイリーフと呼ばれる全くの別物が存在するんです。
- ローリエがクスノキ科・ゲッケイジュ属
- ベイリーフはクスノキ科/ニッケイ属でカシアという葉を乾燥させたもの。
主にインド料理に使われて香りも全然違うので、間違わないように気をつけましょう。
ベイリーフとローリエを見分ける簡単な方法は葉脈を見ることです。
- ベイリーフは葉脈が縦
- ローリエは葉脈が横
実際のところ、まだまだ日本では表記が曖昧なんですよね。
メーカーによってはローリエという表記でベイリーフが売られていたり、逆にベイリーフという表記でローリエが売られていることもあるんです。
葉脈が見えづらかったりして分からないときは、メーカーに問い合わせてみた方がいいですね。
ローリエの効果
ローリエにはビタミンC、ビタミンA、ビタミンB群、葉酸、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどの栄養素が含まれています。
そしてローリエの香り成分には、シネオールやリナロール、オイゲノールという成分が含まれており、消化の促進と食欲を増加させる効果があるのです。
料理に使うことで胃腸や肝臓を活発にする効果があるので、「食欲があまりない」なんてときにもおすすめです。
また、血行を良くする効果もあるので、冷え性に悩んでいる人はぜひ使ってみてください。
妊娠中は避ける
ローリエなどのハーブ類には月経を促進させる効果もあるので、妊娠中は摂取しないようにしましょう。
「大量に摂取しなければ大丈夫」とよく聞きますが、まぁ食べないのが無難ですね。
外食するときなんかはお店の人に聞いてみた方がいいですよ。
ローリエの使い方
料理にローリエを使うのは肉や魚介の臭み取りや、材料の旨味や香りを引き立てることができるからです。
よく使われるのはシチューやポトフ、カレー、ロールキャベツ、ミートソースなどの煮込み料理ですね。
そのなかでもトマトソースとの相性は抜群で、甘い香りがプラスされることで酸味が和らぎ味もマイルドになります。
ピクルスや魚のマリネ(エスカベッシュ)などをにローリエを加えれば、爽やかな香りが野菜に移り、まるでお店でたべるような格別の仕上がりに。
ブーケガルニ
ローリエといえば、フランス料理で必ずと言ってもいいほど使われるブーケガルニが有名ですかね。
フランス語の
- ブーケ 束ねた
- ガル二(チュール) 飾り付け
から由来しており、ローリエ単体より強い臭み消しや香りづけに使います。
ポワロやセロリでローリエ、タイム、パセリを包みタコ糸で巻いて使用するのが一般的です。
ただ使い切る前にハーブ類が傷んでしまうことがあるので、パックで使えるものもあります。
フレッシュのブーケガルニには香りが劣るものの、長期間の保存ができるので家庭料理で使うならこっちの方がおすすめ。
ハーブや香辛料がバランスよく入っているので、パーティで大人数の料理を作るときに必須です。
いつものシチューやカレー、パスタソースなどに入れて煮込むだけで、家で作ったとは思えない香りと味になりますよ。
いつもの料理をお店の味にしよう
ローリエやブーケガルニを使うと、いつものシチューやカレーが、まるでお店で食べているかのような味に変わります。
一度使ってみればわかると思いますが「あーなるほどね。ローリエ入れるだけでこんなに香りや味が変わるんだ」って驚きますよ。
料理好きの人、いつもの料理をワンラックアップさせたい人は、ぜひ使って友達や家族をビックリさせてあげましょう。